令和8年9月27日(日)
海外在住48歳、独身。
今さらながら、我が家の財政を見直しています。
「我が家」と言っても一人暮らしなので、家計会議の参加者は私ひとり。
議長も私、書記も私、そして都合の悪い数字を見つけたときに目をそらす係も私です。
そんな私が、最近になって銀行口座を整理しています。
ここしばらく、私が利用している銀行では、CD(Certificate of Deposit/定期預金)よりSavings(普通預金)のほうが金利が高い状態が続いています。
それは分かっていました。
分かっていたのです。
なのに、無精者の私は、CDが満期を迎えるたびに、
「これ、解約してSavingsに移したほうがいいよね」
と思いながら、なかなか動かない。
そして満期が来ると、自動更新。
「ああ、また更新されちゃった」
と思いながら、そのまま。
また満期が来る。
「今度こそ解約しよう」
と思う。
そして、また自動更新。
そんなことを繰り返しながら、気がつけば10年くらい経っている気がします。
窓問題しかり、私が思いついてから行動に移すのに要する時間は10年単位のようです。
そんなCDのひとつが、先日ようやく満期を迎えました。
金額は$5,000ちょっと。
今度こそSavingsに移したのですが、せっかくなので、以前から気になっていた「投資」というものをやってみることにしました。
そもそも私は、株に対してあまりいいイメージを持っていませんでした。
小さい頃、実家の蔵には古い食器などの割れ物があり、それを包むのに、昔の証券がたくさん使われていました。
昭和の大恐慌で、文字どおり紙切れになってしまった五十円、百円……。
もちろん、子どもだった私には、それが何を意味するのかなんて分かりません。
ただ、薄暗い蔵の中で、かつてはお金としての価値を持っていた紙が、今は古い食器を包んでいる。
その光景が妙に印象に残りました。
そして、その紙には、大祖父母の怒りや悲しみまで浸透しているような感じがした。
本当にそうだったのかは分かりません。
子どもの私が勝手に感じ取っただけなのかもしれない。
それでも、その頃の私は、
「株って、怖いものなんだ」
と思っていたのでした。
そんな私ですが、アメリカで最初に就職したときから、401(k)を続けています。
開設して、もう20年。
こちらは給与から天引きされたお金が、指定したところに投資されていく仕組みです。
なんとなく始めて、そのまま続けてきた。
そして最初に就職した会社を辞めたのが10年前。
つまり、その401(k)には、この10年間、給与天引きによる新しい入金はありません。
それでも。
久しぶりに残高を見ると、上がったり下がったりを繰り返しながらも、ちゃんと育っている。
さすが複利の力。
「株って怖いもの」という私のイメージが、少しずつ変わっていきました。
株のイメージアップである。
もちろん、投資にはリスクがあります。
短期的には増えることもあれば、減ることもある。
そんなことは頭では分かっていました。
でも、20年続けている401(k)と、銀行から届くStatementを実際に見比べてきたことで、ようやく自分の中でも実感できるようになりました。
もっと若いときから、投資について勉強しておけばよかった。
そう思います。
でも、「もっと早くやればよかった」は、「今から始めない理由」にはならない。
そう思って、今さらながら勉強も兼ねて、自分でも投資を始めてみることにしました。
口座を開いたのは、春先。
Charles Schwabで投資口座を開設しました。
……開設しました。
開設しただけです。
そのまま半年弱、放置。
口座を開いただけで、なんとなく仕事をした気になってしまった。
私の「そのうちやる」は、CDだけではなかったようです。
投資先を決めていないお金は、現金のまま口座に残ります。
そして、その現金につく利子は、月々ほんの数セント。
数セント。
これならSavingsに置いておいたほうが、まだいい。
ようやく重い腰を上げました。
今回は「勉強も兼ねて」が目的です。
401(k)と同じようなインデックスファンドにそのまま入れるのではなく、もう少し自分でも考えてみることにしました。
とはいえ、$5,000ちょっとで個別企業の株をいくつも買って分散するほどの額でもない。
そこで、個別企業ではなく、特定のセクターに投資するETFを選びました。
まずは、自分のお金を実際に市場に置いてみる。
教科書を読むだけでは分からないことも、実際にやってみれば少しは分かるかもしれない。
そんな気持ちです。
そして。
最初に投資した金額は$5,588。
それが1週間後には、$5,639になっていました。
$51増。
イェイ。
……と、喜んだところで、ここで一度、冷静になります。
1週間で$51増えたからといって、このままずっと増えるわけではありません。
反対に、$51くらいなら、あっという間に減ることもある。
投資とは、そういうもの。
なので、一時のアップダウンにはあまり動揺せず、長期的な視点で育てていきたいと思います。
20年続けてきた401(k)も、10年間新しい入金がなくても、上がったり下がったりしながら、ちゃんと育っていました。
私も投資も、いきなり立派にはならない。
48歳からの投資生活。
遅いのかもしれないけれど、始めたのが今日なら、少なくとも昨日よりは一歩先にいる。
そう思って、気長に付き合っていこうと思います。
そしていつの日か、子どもの頃に蔵で見た、あのたくさんの証券を思い出して、
「そういえば、あれが私の投資人生の原風景だったのかも」
と笑える日が来たらいい。
その頃には、私のお金も少しは立派に育っていてほしいものです。
なにしろ、育て始めるまでに10年かかりましたから。
気長に、でもちゃんと見守っていこうと思います。

(チャッピー画伯作)








